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とりあえず偽物を例の渡り廊下の方へ向かわせ、俺達もその後ろについていく。
もちろん多少は距離をとっているけどな。
『昼間にも言ったけど、偽物から一定以上離れると消えるからな。そこは注意しといてくれよ』
念話でリアとセリに確認をとっておく。
俺自身の偽物は造っていないため、周りからすればいないはずの第三者の声が聞こえたということになる。
模造とはいえ精巧だからな。
モデルが話せば、それにあわせてリアルタイムで口を動かすのだ。
「わかっていますよ」
「大丈夫よ。
そう簡単にはヘマしないから」
『マジで頼むぞ。
とりあえず例の結界の前まで行こうか』
美少女2人は首を縦に振った。
やはりというか、当然のように渡り廊下から校舎へ入るドアは開放されていた。
もう後戻りはできないので意を決し、校内へ。
そこら中に人の気配があって落ち着かねぇな。
まぁ、俺にすらバレてる時点で雑魚なんだろうけどさ。
もしくはわざと隠さずに煽っているのか。
後者じゃ無いことを切に願うよ。
『……どうする?』
「もう少し様子を見るわ」
「それが賢明ですね。
今ここで動きを変えたら、かえって警戒が強まってしまいます」
リアとセリも俺らにしか聞こえないように音量を小さくしている。
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