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『50メートルも離れれば偽物は消える。
とりあえずいきなり人が消えれば大多数は混乱するだろうが、1人くらい気付く奴は現れるぞ』
念話で語りかける。
流石にいくつも魔術を発動させているので、一方通行になってしまっまっているけどな。
当然だが、リアとセリは首を縦に振るだけ。
警備の人数があれだけなはず無いからな。ここで声を出して見つかったら、人生終了のお知らせが来るだろうし。
そして3階に上がった時点で偽物とのリンクが切れた。
充分仕事してくれたし、時間は稼げただろう。
『造った偽物は消えた。
ここからは念話ができるから』
『了解』
『わかりました』
そして4階へ繋がる階段を登ろうとしたが、
『うお!』
『ひっ!』
暗闇に佇む人影があり、一瞬幽霊かと思ってしまった。
セリも驚いて可愛い悲鳴をあげて、俺の腕に引っ付いてきた。
うむ。いいね。
柔らかいし、いい匂いがするしで満足だ。
『セリさん、普通に警備の人ですから大丈夫ですよ』
『え? そうなのーー』
ここで俺に抱き付いていることに気づいたらしく、声が途切れた。
暗くてわからないが、たぶん顔は真っ赤だろうな。
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