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口をパクパク動かしているということは、悲鳴を我慢してるのかもしれん。
可愛過ぎて抱き締めちゃいたいが、そんなことをしたら必ず声をあげるだろう。
ハーレムを形成出来ぬうちに死ぬのは、戦場に向かう武士が馬から落ちて死んじまうくらい惨めだからな。
『我慢するんだセリ。自分から蒔いた種だろ。
そしてゆっくり俺から離れるんだ。そうすれば何も無かったことになる』
コクコクと首を上下に振る。
やっばい! すげえ萌えるんですけど!
駄目だぞ! 理性を保つんだ俺!
セリは俺の言うことを聞き、ゆっくりと離反していった。
『よしよしいい子だ』
『イチャイチャが終わったなら早く4階へ行きますよ。
いつまでも警備の真ん前で立ち止まってるのはまずいです』
『な! イチャイチャなんてーー
ぐうう! ……行きましょう』
反論してる場合じゃなく、この場から立ち去るのが最優先と悟ったのだろう。
後で死ぬほど文句を言われそうだな。
足音などで気づかれないよう、抜き足で移動していく。
何かめっちゃ見られてる気がするけど、バレてないよな?
ちょうど横を通り過ぎようとした刹那ーー
『月宮灯香』
『うお!』
ヘリウムガスを吸い込んだような声が頭に響いた。
リアとセリじゃないよな?
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