1.精霊使い

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「……て……さい  起き……ださい!  起きてください! 灯香!」  誰だ?  今いいとこなんだぞ。 「これが俺のハーレム……」 「寝ぼけてないで起きなさい!」 「はえ?」  薄く瞳を開けると、世界が回ってる……?  刹那、身体が宙に浮いたような感覚に見舞われ、 「いだっ!」  背中に衝撃が走った。  見上げるとベッドが。  てことは、落ちたのか?  いや、落とされたと表現した方が正しいか。 「ようやく起きましたか。  今日から学校ではないのですか!」 「ん? ああ……」  てことは!  今の夢かよ!  ぐあああ!  何で起きちまったんだ俺! もっと堪能していたかったのに! 「最悪の目覚めだ……」 「どんな夢を見ていたのか知りませんが、早く準備して下さい」 「はい……」  今俺を起こしているのは、決して彼女やら何やらではないからな。間違えるなよ。
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