1.精霊使い

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 ―― 「はぁ、はぁ、はぁ……」  学園に向かう途中で忘れ物に気づき、一端寮まで戻ったため遅刻。  全速力で走ったが、間に合わなかった。  まぁ、入学式だけだし、何の問題も無い。  息を整えながら講堂を目指す。  ここ“アテリア精霊学園”は日本に5つ存在する精霊学園の内のひとつである。  初等部、中等部、高等部があり、敷地面積は非常に広い。  校舎は10棟。  体育館はもちろん、講堂や図書館、学食レストランなんてものまである。  もちろん広大なグラウンド付き。  しかも高等部だけで男5人:女995人のハーレム。  言うことなし! 「灯香、顔がにやけてますよ」  白く小さい猫に姿を変化させ、肩に乗っかっている俺の精霊が余計なことを言う。  ちなみに名前はツクヨミだ。 「う、うるさい!」 「あの、すみません」  不意に声をかけられた。  誰だい? 女の子なら大歓迎さ。
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