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「ねえ、アレ取って」 「ああ? 『アレ』って何だよ」 「……ったく、鈍いんだから。 このタイミングで『アレ』って言ったら、どう考えても綿棒でしょう」 「知るかよ! どんなタイミングなら綿棒なんだよ、あほか。 っていうか、お前、何? 何その態度のでかさ。 あのねえ。 いくら俺達が幼馴染で、家族ぐるみの付き合いもあるし、どっちの家の鍵も持ってて、好き勝手に家に行き来できる仲であってもだよ。 人んちに勝手に上がって来て、偉そうにするのはそりゃお前、お門違いだって事は覚えておけ、このバカが」 「バカだあ~? あのねえ。 いい歳した成人男性が、せっかくの休みだって言うのに家で漫画ばっかり読んでるから、暇だったらどっか連れてってあげてっておばさんに言われたから、忙しーい中、時間を作って、嫌々来てあげてるんでしょう? それをバカ呼ばわりされたら、世界中のボランティア団体を敵にしたのと同じだわよ!」 「嫌々だあ? 来てあげただあ? 俺はお前に来てくれなんて頼んだ覚えもないしな、お前だって暇だったから来たんだろうが。 それにな、聞くがな、だったら、なんでお前はここで俺と一緒になって漫画読んでるんだよ。 どっか連れて行くっていう御大層な使命を持ってここに来たんじゃね~のかよ、あ?」
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