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私はじっと待った。
途端にザワザワと風に揺れる木々の音がやけに響き、時間が経つのが怖くなる。
オレンジ色の空もだんだん、蒼く染まってきた。
かくれんぼを始めて、すでに何分経っただろう。
「寒いよ‥
俊ちゃん、はやく見つけてよぅ‥」
私は小さく丸まって座りこみ、涙をこらえた。
大きく風が吹く。
ザアァァ‥っ!
「キャァァ!
しゅ、俊ちゃぁん!」
かくれんぼをしてたことも忘れ、咄嗟に走り出す。
しかし公園内には私一人しかいない。
泣き叫んでも、誰も見つけてくれなくて私はそこから動けなかった。
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