バレンタイン

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私はブンちゃんの周りに集まる女の子たちを横目に屋上へ向かった。 『…あんなにチョコ貰ったら私の作ったチョコなんていらないよね』 屋上のフェンスからグラウンドの方を見ると、テニス部が部活をしていた。 …私ってほんっとイヤな女。 ブンちゃんにチョコ渡した子たちに嫉妬するなんて…。 ブンちゃんに言ったら呆れられるよね。 『…でも…それぐらい好きなんだよ…』 「それぐらいってどれぐらい?」 急に後ろから声が聞こえて振り返ろうとしたけど無理だった。 『え?』 「…何?」 ブンちゃんに後ろから抱きしめられてるから。 『ブンちゃ…っ!何で…!?』 「美奈が屋上に向かってくトコ見えたからだろぃ」 そう言うとブンちゃんはゆっくりと私を離してくれた。 『…いいの? 女の子たち待ってるよ?』 「彼女泣いてんのに他の女んトコ行く男がドコにいるんだよぃ」 泣いてる? 誰が?
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