―第1章― 進むべき道、中谷 蓮

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俺は何となくテレビをつけた。 俺はテレビを切った。 唯一戻ってこれた、という俺。 あれからやたらと聴取にくるが、全て拒否。 何故か?それはただただ俺の自己中。思い出したくないだけ。 裏切り、裏切られ、殺し、殺され… しかも話したからといって政府が何をできるってわけでもない。 話すだけ無駄だ。信じてくれないだろうし。頭イカれてるだけじゃねぇか?とか思われておしまいだ。 「ハァ……」 「またため息?」 俺のため息に続いて聞こえた、幼い声。 隣の病室の男の子だ。中学一年生。 「ああ…」 「大変だねぇ、蓮兄ちゃんも」 「ああ…」 「僕でよければ話しも聞くからさ!!ね!元気出して!」 「ありがとう、零樹」 へへっ、と笑う声が聞こえた。
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