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カガリ達の言い争い(という名の雑談)は際限無く続くと思われたが一人の人物の姿がカガリの目に留まり、収まる結果となった。
「カガリ、また来ていたのか……」
「お父様!」
カガリの父、ウズミ・ナラ・アスハである。
ウズミはこの国―『オーブ連合首長国』の代表首長を勤めており、その娘であるカガリもまたその身分からそれなりの将来を約束されていた。
故に侍女達に『姫様』と呼ばれ、探されたりもするのである。
時折政治的な式典等に出席させられることもあり、その時にはドレスを着たり女らしくおしとやかに振る舞ったりするのがカガリは苦手だった。
「カガリ、今回の式典は来ないのか?」
「あ、いえ。その……お父様が来いとおっしゃるなら、私も行きますが……」
さっきまでとは違い、少々勢いの無くしたカガリの様子にエリカがくすりと微笑む。
カガリは父にはうだつが上がらないらしく少し俯きながら上目遣いでウズミを見上げた。
「何、侍女達が騒いでいるから来るのかどうかを確認したかっただけだ。来ないのなら私から侍女達には言っておくが……」
「あ、いえ!行きます!!」
「そうか、ならば早く準備を済ませておけ」
「はい」
侍女達の時との反応の違いをよく知るエリカはそんなカガリの様子を微笑みながら見守っていた。
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