prince-sと呼ばれて

6/9
前へ
/9ページ
次へ
ジャニ系のアイドルに憧れるような、少し中性的な同性の先輩に憧れる。まぁ、思春期特有の疑似恋愛。 と、たかをくくっていた俺はチェイサー代わりのビールを、千春の話に吹き出しかけた。 「抱いて。って迫られてさ。」 吹き出しかけたビールを、寸でのところで堪えたせいで、鼻が痛い。 「抱いて?って千春が抱くの?抱かれるの?」 ソッとおしぼりを広げて、手渡してよこしながら千春は、さも当然と言う表情で 「私に、抱いて欲しいって。アッ!全員じゃないよ?各学年に…一人か二人かな?」 十分過ぎるだろう。 おしぼりを受け取りながら、唖然とした。 「で?まさか、抱いたとか?」 千春は笑いながら。 「ん~。無理よね。」 確かにな…女同士はな。 もう一度飲みかけのビールを口に含んだ瞬間に。 「抱いてもいいかなって思ってもさ。発情してる子の匂いが…無理だったわ。」 俺は 思いっきり、ビールを吹いた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加