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「あん時はよくも邪魔してくれたなコラ」
仁王立ちでこちらを睨みつけるのはこの前のヤンキーで、相当怨みがあるのか人を殺しそうな危険な雰囲気を纏っている。
「いや、ちょっと記憶にないなぁ。誰かと間違えているんじゃない?」
「おちょくってんのか。そのふざけた態度、テメェ以外にいるかよ」
ふざけた態度とは失礼な!
これでも結構真面目にしてるつもりだぞ!
「よく覚えてたね。ま、イケメンだから仕方ないか。でも俺は用なんかないし、急いでるから」
じゃっ、と片手を上げ立ち去ろうするが腕を捕まれ阻止されてしまった。
おやおや、強引だな
「やっとテメェを見つけたんだ。そう簡単に帰すわけにはいかねぇな」
ん?やっと?
俺は肩越しに振り返りじっとヤンキーの顔を見つめる。
すると見られてると気付いたのか細い眉を顰めて、何だよと呟く。
「そんなに俺に会いたかったの?」
捜してまで?
と聞けば俺の言いたいことが分かったのか不愉快だと言わんばかりに顔を顰める。
「変な言い方すんな気色悪りぃ」
「でも同じ意味でしょ?」
ぐっと言葉を詰まらせ目線を床に落として納得いかない顔で「そうかも知んないけど…」ともらす。
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