想いは空回り

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「先輩は馬鹿だ。それじゃ、きっと前に進めないままですよ」 「決めつけるね」 「決めつけじゃなくて事実です」  ひやりと冷たいお茶を手渡される。どうやらコンビニ帰りらしく、袋にコンビニのマークが入っていた。 「いいの? 君のでしょ」 「いいんですよ」 「なら遠慮なく」  頬に当てれば冷たくて気持ちがいい。瞳を細めてペットボトルの蓋を開ける。爽やかで苦味のあるお茶にほっと一息をついた。 「それじゃ、ありがとね。また明日」  立ち去ろうとする私の腕は掴まれた。 「先輩、いつか振り向かせますから待っていてください」  真剣な表情を向けられて息を吐く。  なんで私みたいな可愛らしさが足りない人物に惹かれているのか理解できない。 「そう、待ってる」  するりと腕を抜く。今度は歩くことを止められなかった。
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