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「いたっ」
「もう逃げられないぞ!おとなしくしろ!」
ふわりと体が軽くなる。一人の男に担ぎ上げられたらしい。頭に血が上りそうで、上半身を起こすだけで精一杯だった。
地面が木の床に変わる。そして畳になったとき、その場に乱暴におろされた。
「お前、名前は?」
前方から低い声が聞こえて顔を上げると、男の人がこちらを見ていた。あまりのかっこよさに呆然としていると、先ほど私を担ぎ上げた男に小声で声をかけられた。
「早く言え!」
「えっ、あ、浅井雪音です」
「浅井…?」
向かいに座っている男の人がじろりと私をにらむ。
「浅井はすべて根絶やしにしたはずだが…」小さな声でそうつぶやいた。
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