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女は一瞬ハルバードを引くと、少年の左の太ももをその凶悪なハルバードで軽く突き刺した。
同時に左手で彼の口を塞ぐ。
「痛いか?」
耳元でそう囁く女に、少年は真っ赤に染まるズボンを掴んで悶えながら激しく頷く。
「そうか…なにか言い残したい事は無いか?」
激しく頷く少年。
彼女は大きな溜め息を吐いて、「仕方ないな」と呟き手を離す。
少年は涙目になりながら叫ぶ。
「お願いだ! 次は必ず、必ずアイツを!!」
「ならん!!」
女は、ハルバードを少年の太ももから引き抜いて大きく振り上げる。
刹那、少年は姿を消した。
女は、止めることなく勢いそのままハルバートを振り落とす。
凶器は空を切った。
彼女の目の前にたたずむ壁は、彼女のハルバードで一刀両断されて崩れた。
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