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――第三都市 オークタワー地下独房――
「№0さん、俺っちになんの用ですか?」
背後から声を掛けられた№0は、目の前の扉に視線を移して口を開く。
「やあ、アツシ。君はこの独房が、なんで昔から閉ざされたままなのか知っているかい?」
№0にアツシと呼ばれた太刀を腰に下げる金髪の少年は、目の前の独房に視線を移して首を左右に振る。
「そうか、じゃ特別に教えるよ」
№0は素っ気なく言うと、何重にも掛けられた鍵を一つずつ解錠して重々しい鉄製の扉を開ける。
明かりなどない。真っ暗な部屋だ。
だが、アツシは漆黒の中から殺気を感じ取って、表情を引き締めた。
刹那、闇が動いた。
「まだご飯の時間じゃないよぉ」
まだ幼さが残る可愛らしい少女の声が、二人の耳に入る。
「どういうことですか?」
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