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「へぇー、速いねぇ。降参」
カレンが右手を上げて降参のポーズをすると、アツシも右手を離して太刀を鞘に納める。
「協力してもらうぞ。俺っちの大切な人が連れ去られた」
カレンは雑な敬礼をアツシに向ける。
「了解ぃ。ねえ、相手は強いのぉ?」
カレンはアツシの手を掴んで、まるで駄々っ子のように激しく揺さぶる。
アツシは面倒くさそうに大きく息を吐いて、カレンの質問に首を横に振って答える。
「えぇ!! 弱いのぉ!?」
「そんなの、俺っちは知らん」
素っ気なく答える彼にカレンは、頬を膨らませる。
アツシは、そんな彼女に背を向けて扉を開いた。
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