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「カイ、ニュースが見たい。テレビをつけてくれ。あと、コーヒーも飲みたい」
カイとは、このロボットに雄一が初期設定時につけた名前だ。カイはいわゆる〔生活支援用ロボット〕。簡単に言えばバッテリーで動く執事。この国で最も普及しているロボットの一つだ。
カイのような標準型や少し高いが、ツンデレ型、ヤンデレ型、本格執事型などもある。
彼らは料理以外ならなんでもしてくれる。
例えば、洗濯や買い物、部屋の掃除から家の留守番までさまざまだ。
『了解シマシタ』
カイは機械的に頷くと、戦車を思わせるキャタピラを動かして、台所に向かう。
雄一がソファーに座ると、同時に四二インチのテレビの電源が入った。カイが、タイミングを見計らってつけてくれたのだ。
ちょうど、朝のニュース番組が放送されている。
だが、ニュースの中で特に彼の興味を惹くようなニュースはなかった。経済や政治、外国の戦争などには全く興味は無い。
ただ、最後にある占いのコーナーはしっかり見た。
『天秤座の貴方、残念。今日の運勢は最悪です。家で大人しくしているのがベスト。ラッキーパーソンは、〔初めて会う年下の異性〕以上で終わります』
「ハハハッ、家に居て、見知らぬ年下の女の子が来る訳無いだろ」
占いに突っ込みを入れたその直後、背後になにやら気配を感じた。
カイだ。
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