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だが、リクは笑っている。余裕を見せている。
リクが戸惑う事はなかった。彼には揺らぐことのない戦闘スタイルがあるのだから。
誰に否定されようと変えることはない。自分が極めるべき道を進む。
「盾と矛。どっちが勝つか勝負だ」
リクがそう言った瞬間、観客すべては彼の虜になっただろう。
怒涛の斬撃ラッシュ。相手に考える隙さえ与えないほどに、次から次へと剣は盾と激しく火花を散らす。雪崩の如く、繰り出される連続攻撃に、敵は一歩、また一歩と交代を始める。
両者の体格を比較すれば、大人と子供のようなものだった。それにも関わらず、押しているのは子供の方なのだ。
攻撃で全てをねじ伏せ、防御には一切まわらない。それがリクのスタイルだ。
思い通りにいかない敵は、「チッ」と舌打ちをするが、無理に反撃しようとはしない。強引に行っても、相手の思う壺になることを知っているから。
敵の狙いはただ一つ。攻撃が止むまで防御をし続け、疲労で動きが鈍った所を叩く。
どんなにタフな人間でも、いつか体力は無くなるのだ。
今はジッと耐えるのみと熟練の戦士の勘がそう言った。
「オラオラオラア!」
勢いに任せるように攻撃を続ける。見方によっては、ただのヤケクソにも見えた。
だが、その攻撃の一つ一つは確実に相手のウィークポイント突いていくような正確無比なものだった。それ故に、敵は思うように前に出れないのだ。
だからこそ、敵は起死回生のチャンスをジッと伺っていた。
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