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「はあぁぁぁ……」
左手を前に出し腰を沈めクロー装備の右腕を後ろに下げるとクローの口元から炎が燃え上がる。
よしよし調子は良さそうだ。
「おりやあぁーーっ!!」
叫びと共にクロー装備の右腕を前に突き出すとクローの口が開き紅蓮の炎が吐き出される火炎放射攻撃『昇竜突破』これが三つ目で良く使うのだ。
まぁ少しの貯めが必要なのが不便だけどね。
紅蓮の炎を浴びせられた熊は一瞬で炎に包まれ悲鳴と共に俯せに倒れ粒子化して消滅した。
「ふぅ……やれやれ終わったあっち!」
指鳴らししようと思ったら熱が残ったクローを触ってしまい火傷しかけた。
いけねいけねクロー消すの忘れてたよ、でも今なら肉とか卵焼けるかな……今度試してみるか。
「終わった終わった~」
デッキを抜き取り変身解除して伸びをしながら物陰へ歩み寄る。
「お疲れ様」
「おう」
「それにしてもさっきのクローはバーベキューに便利そうだね」
「焼く前に焼き付くしちゃうから無理だよ」
「微調整出来ないの?」
「マジで使う気か!?」
大袈裟に驚くと諦はぷっと吹き出し「冗談だよ」と言った。目がガチだったのは目の錯覚だったろうか。
「まぁ熱残った本体なら鉄板代わりなるから焼肉とかなら出来そうだな」
「あ~それも良いね」
今度使う時卵持参してやってみよう、もしかしたら光熱費賄えるかもしれん。
「さて帰ろ帰ろ、今日これからどうする?」
「ん~~ゲームセンター行く?」
「そうしますか」
他にやる事無いかだって?良いじゃんマリカと太鼓の達人やりに行くんだから。
だが二人がその場を立ち去った後、ビルの屋上から見つめていたのは黒いフード付きのコートを羽織った何者かがいた。
「王道が嫌なら龍騎士を頼れか……ふふ面白そうだ」
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