付き合うまで

6/16
前へ
/16ページ
次へ
「慎二くん、いつの間に?」 教室には由梨の彼氏の森川慎二がいた。 「男子立ち入り禁止なんだけど……」 私は不審者を見るような目で慎二くんを見る。 「大丈夫やって、バレてないし!!」 彼は明るくそう言った。でもそこはバレとけよ。女子高に男子がはいってもバレないなんて、この学校あぶなっ。 私は花に水をやっている校長をにらんだ。校長は悪寒がしたのか、身震いし、くしゃみをした。その反動ですべり落ちたヅラをあわてて拾う。 そんな校長を見て、私は鼻で笑った。 慎二くんは、関西人。はっきりいって、アホ。テンションが高い。生理的に無理。 「よくあんな人と付き合ってられるね」 私がそう言うと、 「アホなところが好き」と由梨は言う。 由梨は、一言でいってクールビューティ。カッコいい系で、俗にいうB系? そんな由梨がこんなヤツと付き合ってるなんて……。えー、マジ信じられないんだけどぉー……、って、わしゃ女子高生か!いや、女子高生だから!! またまた、自分にツッコミを入れ、心を落ち着かせた。はたから見れば、かなり怪しい奴である。……まぁ気にすんな。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加