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その日の晩、私は修司くんに電話をかけた。
――プルルルル。
「はい、もしもし」
キャッ!出た!!ひとりテンションが上がっている私に対して、彼は冷静にこう言った。
「どちらさまですか?」
……って、登録してねぇのかよ!
…ま、いいや。
「私、私!」
――ブツッッ。ツーツー……。
……エ?切られた?いやいや。きっと、電波が悪いんだな。私の携帯の電波は三本たってるけど……。修司くんて、もしかして山にすんでるのかも!もう一度かけなおそう!
―プルルルル……。
「は、はい……?」
「あ、修司くん?私、私!わかる?」
「ヒィィ!もう名前までしられているのかああぁ!」
……へ??
「あのー?」
「ヒィッ!オレオレ詐欺なら間に合ってます!」
……は?
「"オレオレ詐欺"改め、"私私詐欺"だな!」
おいおい!オレオレ詐欺と勘違いしてんじゃねーよ!だいたい『間に合ってる』ってどうゆうことなんだよ!
「違うっちゅーの!私、ま・ち・こ!前川真知子!わからない!?」
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