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沈黙が少し
やがて美鈴がぽつりと言った
「バッテンたい・・」
「は?」
「バッテン荒川たい」
といって訳の分からないままの男を前にぷっと吹き出してしまった
そんでもって彼女が言うには
「先に言っておきますが誤解なさらないで下さいね、このままだと私がクビになるかあなたが警備員にしょっぴかれてしまいます。
なので後片付けを手伝ってくれたら、お礼にお食事くらいはよろしいですよ。」
その時の男の喜びようといったらなかった。
「鏡よ、鏡、鏡さん
世界で一番幸せなのはだあれ?」
デート当日
美鈴はまんざらでもなかった
それどころか今まで見たことのないような笑顔だった
幸せの黄色い鏡は相変わらず困ったような様子で彼女を見ていたが、鏡の外の美鈴がにっこり微笑んだのを見て余程嬉しかったのだろう。
鏡の中の美鈴もにっこりと微笑んだのである。
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