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「あの!すいません!」
「いらっしゃいませ」
美鈴の目の前に背の高いスーツ姿の若い男性が現れた
いつぞやか彼女の兄貴が連れてきた職場の同僚が185cmだかなんだかごちゃごちゃ言ってたがたぶんそれくらい
第一180以上なんて見当もつかない
「プレゼントをお求めですか?」
ここはレディースの靴売り場である185cmの男には贈答用でもないかぎり用はないはずだ。
「あの・・その、携帯・・を・・ですね。」
(携帯?あのスマホかな?)
そういえばあの最悪の日に携帯電話を拾得したっけ?
美鈴はバックヤードの事務所からスマートフォンと拾得物台帳を持ってきた
「そう・・その・・それです」
長身の男は顔を真っ赤にしてそう答えた
変な人
「ではこちらにサインをお願いします」
長身の男はその長細い身体をくの字に折り曲げて記帳をした。
丁寧にゆっくり書いているがお世辞にも綺麗とは言えない男の子らしい字で
「長野大五郎」と書いた
それが余りに名が体を表し過ぎていたので美鈴は笑いをこらえるのに必死だった。
「ではこちらになります。どうか以後お気をつけ下さい」
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