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できればめんどくさいし、痛いのは嫌いだし、戦いたくねぇんだけど。
そんなことを思いながら、カミコ草を探して森の奥へ。
「あ、みっつんみっつん!!発見!!」
「あ、まじで?」
「ほら、これこれ!!」
もう少しで最深部につきそうな時、紘稀がカミコ草を見つけたらしい。
紘稀のところに行くと、そこには薄緑色のカミコ草がいっぱい咲いていた。
「なんだ、いっぱいあんじゃん」
「ね~」
俺たちはカミコ草を瓶の中にいれて、来た道をもどった。
結局、なんもなかったな。
嫌な予感は俺の思い過ごしだったらしい。
「今から帰れば余裕で間に合うね」
「だな、まぁゆっくり帰るか」
紘稀と他愛ない話をしながら歩いていると、微かに物音が聞こえた気がした。
不思議に思って辺りを見るが、薄暗いし見えるのは木ばかりだ。
「……紘稀、今なんか音しなかったか?」
「え?さぁ……」
『グギャァアアア!!』
紘稀の言葉を遮り、何かの断末魔みたいな声が聞こえた。
思わず紘稀と顔を見合わせて、音の方を見る。
「……どうする?」
「どうするもこうするも……どうする?」
「いやいや、……どうしようか」
紘稀にどうするか聞いてみるも、こいつもどうしたらいいかわからないらしい。
まぁ、とりあえず。
「行ってみるか……」
「え、まじ?」
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