決闘

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「きょうは、わたしがみんなをしどーします。 高梨先生は、そうですねー。おとこのひとだから、じゅぎょーにさんかしてもらいましょーか」 ポンと手を叩いてさらりと、そんなことを言い放った。 「え?参加ですか?男子のですか?」 「いいえ、きょうはおとこのとおんなのこ、いっしょににします。せいべつにわかれて、あそびましょー」 「もちろん、男子のチームですか?」 「よくわかっているじゃないですかー」 にっこりと笑う、安斎先生は表情も、ほわほわ感も変わらないのに、何か怖い。 小さいのに、大きく感じる。 僕は意義を出せず、安斎先生の言うことに素直に従った。 体育は、男女一緒にできる、ドッチボールをした。 結果?もちろん、惨敗に決まっているだろうが。 「みごとな、ざんぱいでしたねー」 二時間目は、一年生の体育。今回は、サッカー。 僕を入れて男子9人。向こうは安斎先生入れて女子33人。 これも、惨敗。 つうか、ハンデいらんくね?と言うほど、女子の結束力がすごかった。 「面目ないです。けど、驚きましたよ。女子の結束力には。 それに、運動神経いいんですね、安斎先生」 前に歩く、安斎先生の肩が一瞬ピクリと動いた。 気がした。 「え、ええ。そうですね。サッカーはとくいですからー。 それよりも、まだ行っていない、たいいくかんへあんないしますねー」 「あ、はい」 四時間目はどうやら、無いらしい。 そのまま、持参したジャージのまま体育館へと行く。 「おんなのこがおおいのはいいましたよね?だから、じょしバスケやバレーもおおいのです。 だから、そのこたちのためにも、たいいくかんは2つあるんです」 グラウンドから、少し離れた場所に二つの体育館が、階段挟んで立ち並んでいた。 「ひだりが、おもにバスケやたっきゅー。みぎが、バレーやしいんたいそー。 じゅぎょーによっても、どちらかをえらばないといけません」 「つまり、バスケをやるなら、左。バレーなら右と言うことですか?」 「そーいうことです。どうぐやゴールが、わけてありますから、きをつけてくださいね」 「本当に、思いきりますね。あの階段は?」 体育館に挟まれている幅が少し大きい階段を指差した。
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