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内心小言にうんざりしている魔王だが、癖になった敬語がそれを隠す。
「絶対にばれませんよ。私の顔を知っている者は居ないのですから。それに、こんな小娘が《水の魔王》だとは思いもしないでしょう」
「それは………!!」
反論の言葉を無くした男性は溜息を吐き、礼をしてから部屋から出ていった。
魔王は独りになったのを気配で確認し、背後から紙袋を取り出した。
「さて、お菓子でも食べますか♪」
そして、楽しそうに色とりどりのお菓子をスカートの上に広げ、幸せそうに食べ始めるのだった。
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