勇者と道具屋。

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「勇者がマギトに?」 「はい!街は噂で持ちきりです!」 「そういや、最近は街に出てなかったな。情報ありがとう」 「どういたしまして!」 クヴァルは商品棚へ走って行ったミラジェルドを見ながら、勇者について思いを巡らす。 ────勇者とは、れっきとした職業である。王都にある専門学校に四年間通い、超難関の卒業試験をクリアした者のみがその称号と証を国王より賜る。 様々な特権を保持する事となる勇者の義務は、魔王の討伐─────ではなく、国内の治安維持や国敵の討伐である。 魔族などの亜人との対話も義務に含まれるのだが、戦闘になる場合が多い為に、戦闘力が高い必要がある。 最後に。勇者の仲間は、勇者本人が決めてよい。なるべく、人数は抑えること。 「………こんなものか」 意外と出てきたが、男ならば一度は子どもの頃に夢見た職業だ。当然であろう。
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