とある道具屋の日常

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「会計お願い」 「……承知しました」 慣れているのか、女性客は平然とマジックアイテムをカウンターに置く。 店主らしき青年も、身体を持ち上げて気だるげに会計をする。 「……千二百ゴールドです」 「ありがと。じゃあまたね、クーちゃん」 「その呼び方やめぃ」 青年は抗議したが、女性客は無視して帰ってしまったので、青年も溜息を吐いてまたカウンターに突っ伏す。 では、青年の紹介をしよう。 青年は、クーちゃんこと《クヴァル=ヴァレリア》。 名前がかなり呼びにくい為、皆が《クーちゃん》と愛称で呼んでいる。 「クーちゃん、会計して~」 「……はいはい、やりますー」 そこそこ儲かっている《ヴァレリア道具店》の毎日は、大体がこんな感じである。
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