魔王と道具屋。

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快晴のある日。 クヴァルは相変わらずだらだらと接客をしていた。 「二千ゴールドです……」 「クーちゃん、此れって何?」 「説明書読んでください」 「クーちゃん!これちょうだい!!」 「飴ならやるから帰れ」 時々子どもをあしらいながらも、順調に商品は売れていく。 クヴァルは商品の少なくなった棚を見て、だるそうにカウンターの奥に声を張り上げる。 「ミラ~!商品並べろー」 「はい店長!」 カウンターの奥から飛び出してきたのは、長い茶髪を後ろで大きな三つ編みにしている少女。 活発そうな目をしていて、実際にも、商品をてきぱきと並べている。 「終わりました!」 「はい、ご苦労様。また仕入れのチェックお願い。後でリスト上げろよ」 「はい!」 そんな正反対な二人の姿を見て、客達はクスクス笑っている。
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