８月のあなたに。

青空に。

ん？ なんだこれ。旨い。
「旨い……」

つい口に出てしまった。

「これかい？これはアンコウの鍋だよ。あまり東京では見られないねぇ。」

アンコウ？あのグロい奴か？まぁ鍋になってもグロいがな。 しかし旨い。

「ご馳走さま。」

「え？もういいの？美味しいのに。」

「かずもあんまり食うと太るぞ？」

とりあえずそう言ってさっさと二階に上がった。

かずが暴れてるような気がしたが、まぁ気のせいだろ。

外では虫が五月蝿く鳴いていた。