ブラコンSS

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「おーい兄ちゃん、生きてっか~? ん~返事がないから屍って事か」 そう実の兄に向かって言うのは中学3年生になる守桐耶已葉(かみきりやいば)。どことなく人懐っこい子であり、運動が得意な活発女子をイメージすれば大体そうなるような外見をし、女の子らしからぬジャージ姿を愛用するれっきとした女の子だ。 そして泡を吹いて倒れている哀れな男は、名を久保という妹を2人持つ少年。享年18歳と書いておきたいところだが、単に泡を吹いて机に突っ伏しているだけという、ちっ残念な感じなので訂正しておくがまだ生きてやがる。 無様な格好で泡を吹いている原因は明白で、皿の上に積まれた妹印の愛情たっぷり手料理を食べたからであり。 その料理人であるもう一人の妹、師走百合は果ての無い後悔に苛まれているのであった。 屍と化した兄、それを楽しげに突っつく活発系妹と、兄を昏倒させた病弱系妹の図。何故こんな事になってしまったのかと言うと、話は昼食後にまで遡るのだ。
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