ブラコンSS

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久保のお兄さんが昏倒するまで後5時間弱はある昼の13時、百合は兄がふらふらと受験間近で貴重な時間を浪費する為に出掛けて行ったのを確認して、台所で食材とにらめっこしていた。 まな板の上に並べられているのは魚類に肉類、野菜やら卵やら麺類などもあり、更には小麦粉とか調味料なども置かれている。つまり、冷蔵庫の中身を全て出した上に台所にある物をかき集めたような感じか。 兄が呆けている時間であるというのに、妹の百合は真剣な眼差しで考えていた。 なにせ、受験で脳が熱暴走した上にノイローゼになりつつある駄目兄の為、美味しい手料理を振る舞おうとし、捧げなくても良い樋口を生け贄にしてまで手に入れた食材であるからだ。 樋口1枚では質をあまり求める訳にはいかず――――――いや、何を作るか決まっていればここまで揃える事はなく、高い食材が買えたのだろうが――――――どうにか量と種類だけは揃えたのだ。
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