ブラコンSS

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「目覚めてません。私が好きなのはお兄ちゃんで、兄萌え以外の選択肢は一切無いよ。食材は所詮お兄ちゃんの為に捧げられる供物で、恋い焦がれたりする訳無いもん。確かに、美味しい食材は人を魅了して買い手を競争させたりするけど、そんなの絶対恋じゃないよね。私の心にあるお兄ちゃんを想う気持ちが、食材に対する下餞(げせん)な気持ちと同じな訳が無いよ。むしろそれ以上、何物にも代え難い志向の愛こそが私の感情で、お兄ちゃんさえいれば何も要らないくらい大好きなの。だーーい好きなの! なのに、その程度の愛と一緒にして欲しくは無いの。全く、耶已葉のそういう冗談は私嫌いだよ」 「ブレないなぁ姉ちゃん……まぁ良いけどさ」 病んでいるまでに兄好きな姉を見て、半ば呆れながら耶已葉は言葉を返した。 とはいえ、あぁ言えばこう返ってくるの事は予想していたし、これでもまだ言葉少ない方なので呆れも半分以下だった。 だから続けて、軽口も叩けるのである。
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