小さな雛鳥と迷い猫

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 夜中、真っ暗闇の部屋で、ベッドに横になったのはいいが、当分、眠気がやって来そうにもない。昼間寝すぎたせいか。それとも、徹夜をしょっちゅう繰り返していたせいで、夜行性が身についてしまったせいだろうか。  自分で選んでの今の生活だ。後悔は無いし、辞めたいなんて思わない。  むしろ、今の方が良い。昔よりは・・・・・・。 ────そう・・・・・・ただ、夜を一人で泣いて過ごしていた、あの日々と比べたら・・・。  クイーンサイズのベッドの上で、ユウは寝返りを打って、横に傾いた。  脳裏に、訣別した、あの赤い切れ長の目を思い出しそうになって、振り切るようにシーツを頭まで被った。
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