とある名家の兄弟達

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 明るい世界の中心で、ある二人の兄弟が、笑い合って戯れていた。  庭に落ちていた木の小枝を拾って、それを剣に見立てて、騎士の真似事を興じることに、楽しさを見出していたのだ。 ────ヴィンセント!ぼくは将来、オールドセイル家をつぐぞ!そのときは、お前も一緒だ! ────ならば、ぼくは『銀狼』になります!そして、兄上のおそばに、つかえます!  幼心いっぱいに、二人の兄弟は誓いあった。  だが、この頃は幼過ぎて、自分達が口にした誓いの意味について、何一つ、無知であったのだ。  それから、数年の歳月が流れ・・・・・・二人の兄弟は、立派に成長を成し遂げた。
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