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「俺の後見人のこと・・・」
「ニリクのことか?あいつ、お前の祖父じゃねえ筈だろ?」
家族関係については、目の前にいる対象者の兄から聞いたことがあるし。
それに、城の中を歩いている時に、あまり表には出せない噂を聞いたことがあるので、ユウも知っている。
「うん・・・でも、俺はじいちゃんって呼んでる」
「・・・ふうん」
明らかにじいちゃんって呼べるような年齢でもない筈なのに、どうしてそう呼ぶのか気になったが、深追いするのも面倒なので、ユウはそれきりにした。
対象者との関係づくりなど、ユウにとっては面倒くさいとしか思えない事項なのだ。
ぺらぺらと、絵本を読んでいる振りをして、後方で自分を見つめる視線を無視していると、また向こうから声が掛かった。
「あのさ・・・・・・兄貴から聞いたんだけど、お前、俺と同い年って本当なのか?」
「・・・だったらどうした?」
「別に。ただちょっと、気になっただけ」
話は短く終わって、沈黙が流れる。
「・・・なあ。お前、七歳でどうやって、SSSランクに上がれたんだよ?」
沈黙に耐えられなかったのか、リュウがまた話題を切り出した。
が、ユウはわざとらしく絵本を閉じて、立ち上がり様、リュウへと振り向く。
「・・・良い事教えといてやる。Sランク以上は全て極秘情報扱いされるんだ。お前のようなガキが足を踏み入れられるところじゃねえ。それ以上の詮索は禁句(タブー)だぜ」
鋭いものを含めたユウの言葉に、リュウはさっと、また更に白くなった。
銀色の瞳と交差して、恐ろしいぐらいの沈黙が這う。虫の音すら、その沈黙の間に分け入ることが出来ないぐらいだ。
その時、その空気を打破せんと、静かに入って来た長身の影があった。
先程話題に上がった、ニリクであった。
「リュウや。今宵はもう寝るが良い・・・な?」
安心させるかのように、優しい声音で、ニリクはリュウの頭を撫でた。
「どうした・・・」
何かを訴える視線を受けて、ニリクはリュウの手前に膝を折り、目線を下の位置にした。
目を合わせるニリクと、ニリクに縋るように見つめるリュウとを一瞥したユウは、咄嗟に目を背けた。
「今宵も私の部屋で眠るか?」
「・・・うん」
「そうだな・・・そうしようか・・・」
「・・・姉貴に電話したい」
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