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そして、空から落ちる黒装束が、木々の枝の間へと落下していくのを見た。
木の葉を緩衝材にして、勢いを殺しつつ、ユウは地面の上に転がるように着地した。
「痛ててて・・・」
小さく痛む身体を起こし、服に引っ付く木の葉を手で叩き落としながら、起きようとしないリュウの元へと歩み寄った。
「いつまでそうやってんだ?さっさと起きろ」
「で、でも・・・もう、大丈夫なんだよな?」
希望的観測も含まれているリュウの声を、ユウはばっさりと切り捨てた。
「だと・・・良いけどな」
呟き様に、振り向いた矢先。
空いっぱいに召喚された結晶の槍の数々に、リュウから小さい悲鳴が上がった。
「ちっ・・・本当に、もう鬱陶しい!!」
苛立ちの声を上げて、ユウは見えない敵に対して、怒号を上げた。
「いい加減にしやがれ!!てめえ、姿も見せずにこのまま俺と戦うつもりか!?それでも男かコラあ!!」
「・・・いや・・・男と決まった訳じゃねえんじゃね?」
リュウが小さく突っ込みを入れるもの、その声を無視して、ユウは八つ当たり気味に叫んだ。
「じゃあこうしようじゃねえか!!こいつの命、てめえにくれてやる!!」
「・・・・・・えっ!?」
顔を空へと向け、親指だけリュウを示唆しながら叫んだユウに、リュウは声を上げた。
「その代わり!!俺と勝負して、戦って勝ったら好きにしやがれ!!」
────えええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇ・・・っ!?
かなり無謀とも言える煽り文句に、守られる対象である筈のリュウは愕然とした。
ユウの提案に乗ったと言わんばかりに、結晶の氷柱が、一斉に発射された。
「わああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!」
リュウの悲鳴は、怒涛に鳴り響く音によって、掻き消された。
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