小さな雛鳥と迷い猫

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 むかしむかし、きたよりさらにきたのさむいくにに、こおりでできたおしろがありました。  そのこおりのしろにはだれもすんではいませんでしたが、ろうやのなかにいっぴきのことりがとじこめられていました。  ことりはまいにちかみさまにおねがいしました。『わたしをここからだしてください。』と。  あるひ、ことりのねがいがかみさまのところへとどき、あわれんだかみさまは、ことりをろうやからだすことにしました。  ろうやをぬけて、ことりははじめてとびました。  こおりのしろをぬけて、そらへと、どこまでもたかくとんでいきました。  もうことりをしばるものはありません。ことりは、じゆうとなったのです。  おしまい。
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