1. 普通の日々

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やけにこじんまりとした調度。 雑然と並べられてる雑誌とコミック。 背伸びして購入した海外製のオーディオ。 くたびれたベッドに、無駄に年季の入ったクローゼット。 それが田島勇作のアパートにある全てだった。 来月には28になる彼のもとには、それ以外に何もない。 たまに田舎の少々お節介が過ぎる母親から結婚を催促する電話がかかってくるものの、常套句のようにそれをいなすくらいだ。
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