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♎「それは、凄い偶然ですが、この世界で折られた紙飛行機の、ちょうど一億機目の紙飛行機なのです」♊「そんなの分かんないじゃないですか」♎「取りあえずそこは思い込んでください。話はここからです」♊「あぁ……一億機目!……それで?」♎「この先、どこかで誰かが二億機目の紙飛行機を折ることになるのは、およそ二十年後になります。その時あなたは何歳ですか?」♊「ええと……もう五十近いですね」♎「あなたは狙いを定めて折りますが、惜しくも二億一機目を折ることになってしまったとしたら、どう思いますか」♊「そりゃあ……惜しかった!って感じじゃないかなあ?せっかく、ねえ、切りのいい数のほうが」♎「もうちょっとよく考えて」♊「たった一機、先に誰かが折らなければ」♎「そう!それがあなたなのです」♊「え?」♎「たった今、あなたがこの一機を折っていなければ、将来あなたが二億一機目を折る際、一機引いて、ちょうど二億機目を折ることができたはずなのです!」♊「……まあ……言ってみりゃそうだけど……あまりにも机上の空論で、話が具体的なわりにつかみどころがないとゆうか……」♎「もやもやします?」
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