第2章

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ドアを開けると、俺を待っていたかのように満面の笑みを見せていた。 「おお、よく来てくれた。我が息子よ!」 「な、なに?」 「1つ頼み事があるんだが」 チラリと後から来た秋を見ると、断ればどうなるかを目が物語っていた。 「ま、任せろ!」 「じゃあ、今から薫さんちに行って荷物運びを手伝ってくれないか?」 薫さんちか。 そういえば、昨日荷造りをするとか言ってたな。 当然、断るという選択肢がない俺は2つ返事で承諾した。 薫さんちは隣町のマンション。 インターフォンを鳴らすと、快く入れてくれた。 じゃないと、困るか。 「こんちわー、康武です」 「康武くん、本当にごめんね。せっかくの休日を…………」 「いえ、気にしないでください」 薫さんは美人で40前後とは信じられないぐらいスタイルが良いうえに、物腰が柔らかい。 うん、親父が惚れたのがわかる。 いやいや、さすがの俺も父親の女はとりませんよ。
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