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ドアを開けると、俺を待っていたかのように満面の笑みを見せていた。
「おお、よく来てくれた。我が息子よ!」
「な、なに?」
「1つ頼み事があるんだが」
チラリと後から来た秋を見ると、断ればどうなるかを目が物語っていた。
「ま、任せろ!」
「じゃあ、今から薫さんちに行って荷物運びを手伝ってくれないか?」
薫さんちか。
そういえば、昨日荷造りをするとか言ってたな。
当然、断るという選択肢がない俺は2つ返事で承諾した。
薫さんちは隣町のマンション。
インターフォンを鳴らすと、快く入れてくれた。
じゃないと、困るか。
「こんちわー、康武です」
「康武くん、本当にごめんね。せっかくの休日を…………」
「いえ、気にしないでください」
薫さんは美人で40前後とは信じられないぐらいスタイルが良いうえに、物腰が柔らかい。
うん、親父が惚れたのがわかる。
いやいや、さすがの俺も父親の女はとりませんよ。
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