第2章

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「康。起きて、起きて」 「……ん……………んだよ……」 重たい瞼を上げると、秋の顔が近かった。 「お父さんが康に頼みたいことがあるんだって」 「………………やだ」 なんで休日に朝早く起きなきゃいけないんだよ。 それに、昨日は急展開すぎてよく眠れなかったんだ。 「もう!朝ご飯抜きにするよ」 ピクッ……… 嘘だろ? その手を使うのはせこいぞ! そう目で訴えても無駄だった。 くるりと後ろを振り向き部屋から出ようとする。 「ご、ごめんなさい!何でも言うこと聞いてきます!」 朝ご飯抜きはさすがに耐えられない。 俺にとっては地獄のようなもの。 親父はリビングにいるはず。 ギネス記録並みの速さで階段を降りてドアを開けた。
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