第1章

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「ただいまー」 あれ? 親父と秋(妹)の靴はあるのに電気がついてないな。 靴を脱いでリビングへのドアを開ける。 「たくっ……………」 案の定、親父は寝てた。 最近仕事ばっかりだったし仕方ない、か。 今日はカップ麺決定。 俺が作れたら問題ないんだけど、あいにく料理を作れるほど器用じゃない。 母さんがいたら…………… そう。 俺は親父と妹の三人暮らし。 母さんは俺が小学生の高学年の時に病死した。 いつも優しくて、温かくて、母さんの笑顔が大好きだった。 でも、死んだ。 元々、身体が弱かったらしい。 「…………」 ブーーブーーブーーブーー 親父の携帯が鳴った。 仕事の電話か? そう思いながらディスプレイを見ると――――――
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