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「康武くんと秋ちゃんがいれば私としても心強いわ」
待て待て。
引っ越し先は他県ではない。
たかが隣町だぞ?
隣町に引っ越すぐらいで転校は…………。
俺だったら嫌だな。
「茜も私が最初提案したときは嫌がってたんだけど、急に賛成し始めて」
ほうほう。
「今じゃすごく楽しみにしてるのよ」
薫さんの顔を見る限り、茜はすごく楽しみにしていたんだな。
うちの高校ってそんなに良いとこあったっけ?
「へぇ」
「ふふっ…………さっ、早く運びましょう」
「うっす」
その後も、薫さんはいろんな話をしてくれた。
父さんとは職場で出会ったとか。
父さんの良いところとか。
父さんが実は茶目っ気たっぷりだとか。
ははっ、全部父さんの話なのはスルーしてくれ。
そして、とうとう最後の荷物を運び終えた。
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