第2章

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「康武くんと秋ちゃんがいれば私としても心強いわ」 待て待て。 引っ越し先は他県ではない。 たかが隣町だぞ? 隣町に引っ越すぐらいで転校は…………。 俺だったら嫌だな。 「茜も私が最初提案したときは嫌がってたんだけど、急に賛成し始めて」 ほうほう。 「今じゃすごく楽しみにしてるのよ」 薫さんの顔を見る限り、茜はすごく楽しみにしていたんだな。 うちの高校ってそんなに良いとこあったっけ? 「へぇ」 「ふふっ…………さっ、早く運びましょう」 「うっす」 その後も、薫さんはいろんな話をしてくれた。 父さんとは職場で出会ったとか。 父さんの良いところとか。 父さんが実は茶目っ気たっぷりだとか。 ははっ、全部父さんの話なのはスルーしてくれ。 そして、とうとう最後の荷物を運び終えた。
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