第一章

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高校一年生入学式、俺は今“見慣れた”校舎にいる。桜が綺麗に舞っている訳でもなければ、別に俺は清々しい気持ちでも何でもない。何故かと言えば、面倒くさいのもあるが、それよりもここが“見慣れた”校舎だからだ。つまり中高一貫なのだ。 池田高校― 通称-池高、池田中学校→池田高校とエスカレート式の高校である。校舎は違うが、隣り合わせになっている。放課後の特別クラス―つまり頭のいいヤツらや、クラブに入っているヤツらは、高校の校舎に行く事になる。 まぁ俺は、両方とも所属していないため、この校舎に入るのは初めてとなる。が、やはり3年間見続けた校舎に新鮮味はない。先に部活動の話をしておく。《クラブ》とは高校生が主でやる部活、《部活》とは中学生が主でやるクラブだ。両方とも主が違うだけで、別に中学生がクラブに入る。高校生が部活に入る。―という事も少なくない。そして俺は、中学の時何も入っていない―つまり帰宅部だった。高校にあがる際、一応テストがあるのだが少し余裕があった。高校ではクラブにでも入ろうかな――と考えているという事だ。
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