1:『大事件が日常、それは疑えよ』

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いや、赤毛のアンなんだろうけどさ。英語じゃんコレ、原文で渡すなよ。 「あ、ありがとう……。でも、今はいいや」 顔を引きつらせながら紅が樫本に返すと、少し残念そうな顔をして本棚のところへ戻っていった。 「……まぁ、会長の言う面白いことかはわからないけど、ジャッキーが教えてくれた行事があるよ?」 「え?何々?」 身を乗り出して紅が健吾に訊きかえす。 ちなみにジャッキーってのは健吾の友達である犬たちの中の一匹だ。 「……新入学生がこの廃校舎を探索しようとしてるんだって」 「あー、入学式がつい先日あったっけね」 大地が相槌を打ち、紅が考え込む。 僕らは現在高校二年生である。 別にこの同好会を紹介もしてないし、勧誘もしてないのでこの場所で活動してるとは思っていないのだろう。
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