第1章 白い紙

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「この美術館のお手伝いだよ。客がたまに来るんでね、案内や話し相手になって貰いたい」 「なーんだ、簡単じゃん!」 ただの話し相手だろうと馬鹿にした僕に、マサミカは嘲笑うように言う。 「簡単、ねー。客が来たら判ると思うけど、相手の目を見て話す事は約束だよ?」 「判った判った。とりあえず形は店員だろ?任せとけって!」 自信満々の僕はすぐに言われた位置に立ち、まだ飾れていない絵を額縁に入れながら客が来るのを待った。 でも、待てども待てども客は来ない。
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