第1章 白い紙

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「ここは…」 キョロキョロと見渡すと、美術館みたいな立派な絵が沢山飾られていた。 「ここは私が管理する美術館だよ。死後の世界にだけ存在する人間が人生を描いた絵さ」 壁が額縁に入った絵で埋め尽くされている。近づいて見ると、クレヨンで花を描いた絵や綺麗な水彩画だったり、子供が描いたような雑な絵がある。 「これ下手くそだな」 鼻で笑った僕の後ろで男が言った。 「個性だよ。どの絵も味が出てるだろ?」 男の言う味が判らなかった。
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