俺の秘密と出会い

2/5
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
俺は、相川日向(ヒナタ)。 特に、取り柄ってものはない。 勉強は真ん中よりちょっと下だし 運動は、全国平均。 どこにでもいる一般的な男だ。 ……ただ、俺には誰にも言えない秘密がある。 まぁ、言ったとしても、 信じてもらえないだろうけど。 それは、“サイコキネシス”が使えること。 幼いときからその力はあって、 自分でもなぜその力が自分にあるのかは分からない。 知っているのは親と自分だけ。 誰かにバレたら、俺はもう、人間としてみてもらえないと思う。   昔、まだ自分が他の人とは違うことを理解出来ないほど幼かった頃。 人前で力を使ってしまった事があった。 ぬいぐるみを浮かすという、かわいらしい物だったのだが、もちろん大騒ぎとなった。 結果、俺たち家族は引っ越さなければ無くなり、親に大変な迷惑をかけた。 “もし、何かのひょうしに能力が出たら…” そう考えると、おのずと人から距離をとった。 自分が異質なのは承知していたし、それを隠して 上手く人とつきあえるほど俺は器用じゃない。 そんなこと、自分でもわかってる。 そんなこんなで、 高1になった今でも、 俺は一人ぼっちでこうして 屋上で時間をつぶす事が多かった。 と言うか、ほぼ屋上の住人となっている。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!