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俺は、相川日向(ヒナタ)。
特に、取り柄ってものはない。
勉強は真ん中よりちょっと下だし
運動は、全国平均。
どこにでもいる一般的な男だ。
……ただ、俺には誰にも言えない秘密がある。
まぁ、言ったとしても、
信じてもらえないだろうけど。
それは、“サイコキネシス”が使えること。
幼いときからその力はあって、
自分でもなぜその力が自分にあるのかは分からない。
知っているのは親と自分だけ。
誰かにバレたら、俺はもう、人間としてみてもらえないと思う。
昔、まだ自分が他の人とは違うことを理解出来ないほど幼かった頃。
人前で力を使ってしまった事があった。
ぬいぐるみを浮かすという、かわいらしい物だったのだが、もちろん大騒ぎとなった。
結果、俺たち家族は引っ越さなければ無くなり、親に大変な迷惑をかけた。
“もし、何かのひょうしに能力が出たら…”
そう考えると、おのずと人から距離をとった。
自分が異質なのは承知していたし、それを隠して
上手く人とつきあえるほど俺は器用じゃない。
そんなこと、自分でもわかってる。
そんなこんなで、
高1になった今でも、
俺は一人ぼっちでこうして
屋上で時間をつぶす事が多かった。
と言うか、ほぼ屋上の住人となっている。
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